「母と私の宅食ライフ」
【宅食サービス】の利用を考え始めた、宅食初心者の60代の方向けに宅食サービスの上手な活用法をご紹介します。
このページでは、高齢者向けに宅食サービスを利用する際のメリットやデメリットについてまとめています。
宅配食、宅食、配食サービスなど、さまざまな呼び方があります。厳密に言うと、宅配食・宅食は、おもに自宅に食事を届けてくれるサービス、配食は、自宅に限らず、病院や老人ホームなどに届けてくれるサービスです。
宅配食とデリバリー・出前の違いは注文の仕方が大きく、デリバリーや単発注文がメインであるのに対し、宅食サービズは、週単位や月単位など定期的に注文されるのが一般的です。
宅配食は、管理栄養士や専任の調理師が監修していることが多く、さまざまな食材を使い、栄養バランスを考えた献立が立てられています。そのため、食材の調達、調理、献立の工夫、栄養バランスの検討などの労力を削減しつつ、豊かな食生活を実現することが可能です。
普通食を食べるのが難しい高齢者の方向けには、塩分や糖質、カロリー、たんぱく質などを制限したものや、食べ物の咀嚼が難しかったり、飲み込みにくかったりする人にも、食べやすい形状になっているものもあるので、身体の状態に合わせて選ぶことができます。
一人暮らしで自炊をしようとすると食材が余ってしまいがちですが、宅配サービスなら食材を余らせて無駄にしてしまうということがありません。食事の宅配サービスではメニューは日替わりで用意されていることが多いので、食材を用意する、使い切る、調理するといったことをせずに、毎日違った食事を楽しむことができます。
常温サービスの宅配食は基本的にお弁当・総菜を手渡しで行うので、宅配先の方と直接、顔を合わせることになります。企業によっては安否確認をサービスのひとつとしてるところもあるので、親御さんと離れて暮らしている方にはとても便利です。高齢者の一人暮らしの場合、突然の体調不良やケガなどにより自分でS.O.Sを発信することが難しくなっているというケースも多分に起こりうるので、食事の宅配サービスによって安否確認をすることができるようにしておくのは一案です。
とくに高齢者向けの宅食の場合、健康のために薄味になっていたり、食べやすさを重視して、やわらかく仕上げられていることが多々あります。そのため、食事の味付けに満足できないという人もいるようです。最近では、味付けを抑える分、副菜の数を増やしたり、出汁にこだわったりと工夫をしてる企業も多いので、そういったサービスを探してみるといいでしょう。
宅配食は一般的に300円~800円が相場です。1食分だけならそれほどではありませんが、定期的に利用するとなると1カ月の出費はかなり大きくなります。ご家庭によっては家計を圧迫しかねないので、事前に計算しておくといいでしょう。
宅食サービスでは日替わりでメニューを用意しているところがほとんどです。毎日、違ったメニューを食べられるという利点がある一方で、お弁当の場合は、自由に自分の食べたいものだけを選んで食べることができないという不満も起こり得ます。高齢の親御さんがご自身でアレンジするのは難しい場合もありますが、総菜だけの宅食サービスや冷凍食品の宅配食などを用意しておくことで、その日の気分にあわせてカスタマイズすることもできるでしょう。
80代高齢の親御さん向けに宅配食を利用するなら、栄養バランスはもちろん、食べやすさにもこだわったものを。その日のうちに食べるなら、常温や冷蔵だと、作りたてのものが食べられます。
60代の子世代が利用するなら、冷凍タイプがおすすめ。常備食として冷凍庫に入れておき、忙しくて食事が作れないときや、あと1品ほしいときなどに重宝します。
インターネットなどで、「宅食はまずい」という口コミを目にしたという人もいるかもしれません。75歳以上の高齢者に向けた宅食は、基本的に塩分やカロリーが控えめで、やわらかめに仕上げられています。そのため、味が薄く感じられたり、食感が物足りなかったりということはあるかもしれません。
現在、宅配食や宅配弁当を手掛けている企業では、栄養面や食べやすさだけでなく、素材や調理法についてもこだわり、美味しく食べられるよう、さまざまな工夫がされています。